
愛車を基本メンテナンスに出しました
Staff Note | 2020.10.10

こんにちは、Tokyobike Shop中目黒の西村です。
長かった夏の猛暑もひいて、最近は徐々に自転車日和になりつつありますね。
過ごしやすい天気になってくると、「そろそろ自転車で遊びに行こうかな」とふっと思う瞬間が増えてきます。
夏の間お休みしていた自転車に、久しぶりに乗ってみようという方も多いのではないでしょうか。
実は自転車は、乗っていない時ほどタイヤの空気の減りは早かったり、外駐輪の場合は雨ざらしでチェーンのオイルがカラカラになってしまったりします。
そんな時にオススメなのが、自転車のメンテナンスです。
私たちも職場や学校で毎年健康診断を受けるように、実は自転車にとっても定期点検は大切なものです。
病気を予防できる健康診断と同じで、メンテナンスは故障予防にもつながります。
tokyobikeの各直営店では、「基本メンテナンス」という3,000円(税込)の自転車点検コースがあります。車体全体に渡って各パーツの調整を行うメンテナンスです。
人間の場合は地道に生活習慣を見直しながら体調を整えますが、自転車の場合はメカニックスタッフが1週間で乗り心地を最大限良いものへ改善してくれます。
私は先日、ちょうど購入して1年が経つ自転車があったので基本メンテナンスに出しました。
この1年間、いつも通勤でお世話になっていた愛車です。今回は直接メンテナンス現場に密着することにしました。
メンテナンスと一言で言うけれど、具体的にはどんな作業が含まれるのか。
メカニックスタッフのみぞ知る世界だと思うので、今回はその様子を紹介します。
ここでは大まかに「注油」「調整」「増し締め」「簡易清掃」の4つに分けてメンテナンス風景を紹介します。
注油
自転車はとってもアナログな乗り物で、様々なパーツが歯車のように連動して嚙み合いながら動いています。
例えば、ペダルを漕げばタイヤが動き、レバーを上下すればギア調節を行うというように。
つまり、自転車は全てのパーツが互いの機能をスムーズに果たすことで、乗っている私達がストレスフリーに楽しめる乗り物なのです。
そのため、注油作業は気持ち良い乗り心地のために必要不可欠であり、それは自転車整備士やライダーである私達が自転車に気を配ってあげなくてはいけない重要項目なのです。

ブレーキワイヤーに注油

ブレーキキャリパーに注油
パーツ同士の連結が特に必要となる部分には徹底的にオイルをさしていきます。
「こんなところまで・・・?!」と、毎日乗っていても見落としてしまうような小さなパーツまで、メカニックの目に抜かりはありません。
調節

ハンドルバーの調節作業

調節したハンドルの締め直し
今回のメンテナンスにあたって、一番印象的だったのが「ハンドルはその人の癖によって微妙に調整が狂っていくんですよ」というメカニックの説明でした。
この「調整が狂っていく」という言葉が、定期メンテナンスの重要性を端的に物語っているように思えたからです。
自転車は最初に納車して以降、一方的に消費していく乗り物では決してありません。パーツがズレていくのは当然、消耗していくのは当然。
そんな中で、車体や各パーツとうまく付き合っていくことこそが、一番の醍醐味であり、お出かけパートナーである自転車への気遣いなのだと思います。
ちなみにこういった再調整の作業は、ハンドル以外の様々なパーツでも行われます。
自転車の乗車姿勢はもちろん人それぞれ。サドルやペダルなどへの負荷のかかり方も少しずつ違ってくるものなのです。
調整のズレてしまった自転車に乗ることは、乗り方によっては私達ライダーの体の負担にもなります。
調整作業を行うことで自転車もライダーも、無駄な消耗に体を疲れさせなくてすむようになります。
増し締め
そしてもちろん、ボルトの増し締めも忘れてはいけません。
パーツがきちんとハマっていないと、走行中の事故にも繋がりかねません。事故とはいかなくとも、パーツが変な消耗の仕方をしてしまって、交換や修理の頻度が高くなってしまうこともあります。
安全に正しく自転車に乗るためには、各所ボルトの増し締めは必要不可欠です。
このボルト締めを見ていて一番驚いたところが、そのボルトの種類の多さ!
メカニックは実に様々な種類のレンチを持ち出して、様々な形のボルトを締めていきます。
ネジの形はそのパーツの機能を考慮した上でそれぞれ選ばれていると思うので、大きな部品から小さな部品まで、自転車という乗り物は本当に興味深いです。
自転車は約900種類ものパーツで組み上がっているそうです。

サドルの増し締め

フレーム各ボルトの増し締め

ペダルの増し締め

チェーン周りの増し締め
簡易清掃

変速機周辺の清掃

フレームの拭き作業
最後には自転車の簡単な清掃を行います。
ただ、どうしても取り除くことのできる汚れとできない汚れがあるので、新車のようにピカピカに戻すというのは難しいです。
それでもパーツ用の専用クリーナーでフレームやチェーンのオイルに絡まった汚れは、ある程度落とすことはできます。
落ちない汚れは味として受け入れ、落ちる汚れは拭い去って清潔感を保つ、私はそんなふうに考えて自転車の汚れと向き合っています。
オプションパーツのメンテナンス
オプションとして、もし自転車にバスケットやアクセサリーを取り付けている場合、基本メンテナンスではそれらの調節も合わせて行います。
私の場合はリアキャリアとボトルホルダーを取り付けているので、それらのネジ締めも含まれました。

リアキャリアの調整

ボトルケージの増し締め
一通りの作業を終えると、試乗をしてきちんと乗り心地を確認します。
もしそこでまだ不具合があれば、再度調整をやり直す必要があります。
メンテナンス内容は以上です。
人によって乗る頻度や時間、購入時期も異なるのでメンテナンス前後の見栄えには多少個体差が生じてきます。
しかし、作業内容とフローはどの自転車であっても統一しています。
メンテナンスに出したあとの自転車に乗るのは、新車を買った時に似たワクワクがあります。
最大で1週間程度お預かりいただくこともありますが、自転車を長く快適に乗っていただくには大変オススメです。
tokyobike直営店全店で受け付け及び整備が可能です。
メンテナンスは1年に1回程度の頻度がベストです。まだメンテナンスに出したことがない、もしくはご無沙汰、という方、ぜひご検討されてください!
お待ちしております!
Tokyobike Shop 中目黒 staff: 西村 夢見